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タバコが健康に悪いのはわかっているのに、なぜかやめられない。現在では、喫煙をやめられない原因は「ニコチン依存症」であることがわかっています。禁煙治療をするために、禁煙の習慣やニコチン依存症について考えてみませんか?
あなたがタバコを吸う理由(メリット)はなんですか?
吸うと落ち着く、仕事に集中できる、ほっとするなど、様々な理由が挙がりそうです。
ストレスの多い社会で生活するには、イライラを解消できるタバコは欠かせないと考える方も多いでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか。
タバコを吸い終わって1時間もしないうちに、血液中のニコチンが減り、イライラや落ち着かないなどのニコチン切れ症状(離脱症状・禁断症状)が現れます。ストレスが原因でイライラするならば、一番リラックスしているはずの寝起きの時間にタバコを吸いたくなるはずがありません。
喫煙自体が原因で生じたイライラを、次の1本を吸うことで解消しているだけといえます。
いつでもやめられると思って吸い始めたのに、いつの間にかタバコと離れられなくなってしまうのはなぜでしょう。
禁煙に挑戦しても、つい吸ってしまうのはなぜでしょう。これはタバコの煙に含まれるニコチンが、麻薬にも劣らない強い依存性をもつからです。
タバコを吸うと、ニコチンが数秒で脳に達し、快感を生じさせる物質(ドパミン)を放出させます。ドパミンが放出されると、喫煙者は快感を味わいます。同時に、またもう一度タバコを吸いたいという欲求が生じます。その結果、次の1本を吸って、再び快感を得ても、さらに次の1本が欲しくなるという悪循環に陥ります。
現在では、喫煙する習慣の本質は「ニコチン依存症」という、治療が必要な病気であるとされています。
下の表は、ニコチン依存症かどうかを判定するテストで、10項目の質問に、「はい(1点)」または「いいえ(0点)」で答え、どちらでもない場合は0点とします。合計点が5点以上ならば、ニコチン依存症とされます。
ニコチン依存症を判定するテスト TDS(Tobacco Dependence Screener) |
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設問内容 | はい 1点 |
いいえ 0点 |
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1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 | ||
2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 | ||
3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコが欲しくて欲しくてたまらないことがありましたか。 | ||
4 | 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?(イライラ・神経質・落ち着かない・集中しにくい・ゆううつ・頭痛・眠気・胃のむかつき・脈が遅い・手のふるえ・食欲または体重増加) | ||
5 | (4)でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか? | ||
6 | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか? | ||
7 | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? | ||
8 | タバコのために自分に精神的問題(※注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか? | ||
9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか? | ||
10 | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか? |
(※注)喫煙や本数を減らしたときに出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
禁煙すれば、健康面以外でも美容や金銭面、その他生活に関わる多くのメリットが得られることでしょう。あなたには、どんな嬉しい事が起こりそうですか?
下のフローチャートから、あなたに合った禁煙方法を探してみませんか?
禁煙治療を健康保険等で受けるには、一定の要件があり、1回目の診察で医師が確認します。
要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
病院に行く前に、自分でチェックしてみましょう。
標準的な禁煙治療のスケジュールでは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。
診察時には、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測定します。一酸化炭素は、タバコの煙に含まれる代表的な有害物質です。
また禁煙を継続するためのアドバイスや禁煙補助薬の処方を受けることができます。
現在、禁煙のための薬には、「飲む」タイプ、「貼る」タイプ、「かむ」タイプの3種類があります。